52 「択一式試験」(社労士合格体験談)

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そして、「択一式」が始まりました。

私は、得意科目で問題文も比較的短めの「健康保険法」から解き始めました。

「うーん、今年は難しいな」問題文にアンダーラインを引いていきますが、答えを絞り込めない問題もいくつかありました。

「高額療養費の貸付?こんなの出すの?」私が実務でたまたま知っていた問題もありました。

「厚生年金保険法」、「国民年金法」も模試よりも手ごわく感じました。

私が設定した「タイムスケジュール」の1科目あたり25分は、ぎりぎり30分で終わるような感じでした。

模試よりも問題を解く時間が多くかかったのです。「労働者災害補償保険法」は、問題文が例年よりもかなり長くなっていました。

「もしかして今年から長文になった?」私はそう思いました。

「労働基準法及び労働安全衛生法」も問題文が長く、正解肢を2つまで絞り込んでも残り1つが絞りきれませんでした。

どの科目も簡単に答えを出せるような問題は1問もないのです。

試験の途中にトイレに行きましたが、トイレから戻る間に疲労からか頭がクラクラしそうになりました。

そして、気力を振り絞って最後の難関の「労務管理その他労働及び社会保険に関する一般常識」にとりかかりました。

私は問題文を読み始めると茫然としました。

「こんなの反則だよ。みたこともない」そう叫びたくなりましたよ。

勘で正解を選ぶこともできましたが、ここまできてそれはやりたくありませんでした。

私の頭の中では、何度もカセットテープで繰り返し聴いた「講師の言葉」が響きました。

「択一式は絶対に気持ちを切るな。一度気持ちが切れるともうそのあとはボロボロになるから」私はその言葉に従いました。

問題に惑わされずに私が自分の頭で考えた「常識」で答えを導いた問題もありました。

すべての問題を解き終わったのは実に試験終了の5分前でした。

残り5分は、マークシートの記入ミスがないかの確認作業がせいいっぱいでした。

私は帰りの電車の中で、「あんなにがんばったのに・・・。もしかして択一式で足切りにあうかも」と暗い気持ちでいっぱいでした。

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