決められていた内定者―短期語学留学

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決められていた内定者―短期語学留学

前回書いたように、エスカレーター式の女子高に進学した私は高校2年生になると学年で2人行くことの出来る短期留学に淡い夢を抱きながら、1年1年を楽しんで過ごしていきました。

時間が過ぎていくにしたがって、最初の目標の留学はあまり意識することもなくなってきました。部活や勉強、お友達関係に忙しくて何年も先の留学など強くイメージすることはなくなりました。

いよいよ高校2年生になりました。
学校から留学の案内が学年の生徒たちに届きました。みんな留学の噂をするようになりました。

私はその時やっと思い出しました。中学入学の時、これを目標にしていたことを。

しかし、高校2年生の私の成績はとても悪く、とても応募できる資格さえないようなものでした。

それでも希望は提出することにしました。試験は日頃の成績と先生方との面談でした。

日頃の成績はどうしようもありませんでしたが、面談には力を注ごうと思っていました。

希望者が集まり面談の日が近づいてきました。ところがこの頃変な噂が流れ出していました。

学校側がすでに内定者を決めているのだという噂でした。

内定者には家庭にもすでに許可を取っているそうで、学年でトップクラスの成績を取っていて、家庭環境も整っている家庭を選んでいるという話しでした。
これは受け入れを意識した行為で、夏休みには日本から2名西オーストラリアの姉妹校に留学しますが、冬休みには向こうサイドから交換留学生として家庭も学校も受け入れを約束されているわけです。

大人になった今はある程度仕方のない話かとも思うのですが、思春期の私にとっては不義な行為としか映りませんでした。

そのうち内定者の名前も露呈しました。やはり成績優秀者たちでした。

私にはどうやっても勝ち目はないのだろうか?

面談に全力を注いで力を出し切ろうと気合いを入れて面談の日を楽しみに待っていました。

面談の日がやってきました。

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