通関業者で働くために有利な資格「通関士」

通関士は、国家資格の一つです。様々な輸出入品を流通させる手続きにおいて、必ず関与しなければいけない職業です 。

通関士資格の合格者の主な勤務先としましては、運送会社や海運会社・倉庫会社など「通関」関係の仕事をすることが必須の会社ということになります。なお「通関業者」とは税関への手続き代行をする業者のことで、資格を持った方がその知識を活かして複雑な業務を行うということになります。

多くの場合勤務先としては港近くの港湾関係の部署になります。仕事柄、輸入関係に関わる企業の業務の一環として行う部分が多いため、個人で独立開業して業務を請け負うといった形態には少し向いていない資格と言えます。

受験資格

受験資格には特に制限はありません。

試験内容

通関士の試験内容は、主に3つに分けられます。

・通関業法
・関税法
・通関書類の作成要領その他通関手続の実務

もしも通関士として実務経験した期間が5年以上ある場合は、通関実務が免除され、15年以上の方は「関税法人等」、「通関実務」の2科目が免除されます。実務を経験しておいた方が、試験には有利なのですね。

難易度

通関士として働くには、通関士の資格試験に合格していなければなりません。合格率は10%前後で、試験を突破することは容易ではありません。最近の傾向では、問われる問題も難しくなってきています。

スクールに通って通関士の受験勉強をする人たちもいます。かなり細かい部分まで問われるため、独学であれば尚更、生半可な気持ちでは受かりません。

英語の勉強が必要?

通関士の仕事は貿易や税関手続きに深く関わるため、英語が必要なのでは?と考える人もいるでしょう。通関士は海外と交渉するシーンもあるため、英語も必然的に関わってくると予想する人もいるのでは?

通関士になりたいものの、英語が苦手だから無理かも…と諦めそうになっている方がいれば、勿体ないです。「英語が苦手だから無理」ということはありません。

確かに通関士の試験には英語に関係した問題も出題されますし、通関士として実務する上でも、英語が必要になるシーンはあります。

しかし、英語が苦手だった人でも、過去に多くの方が通関士の資格試験に合格しています。英語があまりできないということが、通関士試験の不合格に直接つながるわけではありません。

通関士といっても通訳並みの英語力を求められるわけではありません。英語を使うといっても国内であり、職場も日本人だけなので、外国人と常に接するというわけでもありません。

ただし、書類上で英語が登場してくることはあるでしょう。そこに出てくる英語は難しいか簡単かというと一言では言えませんが、通関士に関する用語なので、専門的な英語であることは間違いありません。

しかし登場してくる英単語の種類は、そう広くありません。通関に関する用語が多く、やっていれば自然と覚えられるでしょう。学生時代に英語が得意でなかった方でも、通関士として活躍している人はたくさんいらっしゃいます。英語についてはプラスアルファとして、あまり深く考えすぎず、英語以外の部分を重点的に勉強しましょう。

通関士の具体的な仕事内容

通関士として働けるようになったら、通関手続きの代行者として輸入業者をサポートしていきます。輸入とは反対の輸出にも勿論関わっています。

輸出入に関わるモノの流れは、全て税関で認可を受けなければいけません。外国から日本、日本から外国へと動く資源や食品、電化製品などの通関手続きに関わる専門家です。通関士の働き先は、一般的に「通関業者」と呼ばれる企業が多いです。

≪通関士が行う通関業務の範囲≫

通関士として働くのであれば、次のような業務を担う事になります。

・貿易に関するアドバイス、コンサルティング
・通関手続きと書類作成の代行
・主張、陳述の代行
・不服申し立ての代理、陳述の代行

・書類作成の代行

通関士の事務作業としてよくあるのが、通関に関わる書類作成です。税関法や関税に基づいて、必要な申告や申請など、税関で認可を得るまでの一連のプロセスを担当します。

・貿易のアドバイス

クライアントである輸出入者に対して、貨物の効率的な配送法や保管方法などを伝えていきます。いかに短時間で円滑に税関を通るかといったコツも伝授していきます。

通関士が属する通関業者は、倉庫業や運搬業なども兼業している場合がほとんどです。様々な側面から実践的なアドバイスを行っていくため、クライアントにとっては業績に直結するような、欠かせない存在です。

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