公認会計士資格取得と将来性
LEC・資格の学校TAC(Wセミナー)・大原
現在の公認会計士の現状
公認会計士試験は日本でももっとも難関とされる資格の一つで、司法試験や、国家公務員1種試験と並ぶ難易度があります。
受験資格はなく、誰でも受験できます。
試験は年2回(12と5月)の答式試験と年1回(8月)の論文式試験から成っており、11月の試験合格後、実務補習と2年以上の実務経験を経て、登録を行い、晴れて公認会計士として働くことができるようになります(実務経験は、試験合格の前後を問わない)。
平均的には一日8時間以上の勉強を3年~4年続けて合格できるくらいの大変な資格であるという認識をしておくべきレベルです。
平成28年の試験結果を見ると最高年齢は67歳、最低年齢は19歳で、合格者の平均年齢は26.2歳と若い方が多いようです。
(合格者の構成比を見ると20歳以上25歳未満が51.0%でした)なお、同年の合格率は10.8%です。
20代前半の学生時代に取得する層や、学校卒業後就職せずに試験勉強に専念し、数年で取得するというパターンも多く見られ、年齢的なものもあるかもしれませんが、就職は普通に会社員として大手の監査法人に入社するのが一般的です。
公認会計士は、監査及び会計の専門家です。
監査業務とは、企業の決算の数字が正しい方法にのっとって算出されているということを証明する仕事です。
企業は税法や商法、上場企業であれば有価証券取引法などの法律に則って決算を行う義務があります。
決算の数字に信頼性が求められており、その信頼性は会計士が保証するということになります。
監査をするような会社とは、そのほとんどが大企業であり、決算一つ取ってみてもその書類関係は膨大な量となります。
公認会計士はこれを一つずつチェックしていくのですから、その労力というのも大変なものになります。
たいていの仕事はチームで企業に派遣され、決算期に1ヶ月近くひたすら書類のチェックや数字合わせ、領収書・請求書・契約書などの会計に関連のある証憑(事務書類のほとんどが対象となります)を延々と見ていくことになります。
非常に単純労働のボリュームが大きい仕事です。
こういった仕事の中身からも、独立を目指す会計士も少数派ながらいます。会計士が独立をすると、大企業の監査などは実質的には出来なくなりますから(大企業の監査はチームを組んで行うレベルです。)、個人や中小企業相手の仕事が中心となります。
しかし、個人や中小企業ですと、「監査」そのものが必要なく、仕事の中心は「納税のための会計」ということになります。
つまり、「税務」がその仕事の中心となるわけです。
公認会計士資格を取得すると登録すれば税理士資格がもらえますので、ほとんど税理士業務と変わらないということになります。
難易度の高い公認会計士に合格したが、やっていることは税理士業務だけだという方も多いようです。
それなら税理士の資格取得のために税務の勉強をしていた方がよかったという事になるかも知れません。
公認会計士と税理士の違いは「公認会計士は監査ができる」くらいになるので、初めから個人・中小企業相手のコンサルで独立を考えておられる方は税理士資格の方がいいかも知れません。
会計士の資格を取得しても監査法人でずっと働き続けている限りは、「年収の高い忙しいサラリーマン」的な働き方に近い感じです。
自分は税理士と会計士どちらを取得したいのかを仕事の内容で判断してみて下さい。